きこえにくい方に対して、どのような点に気をつけて接するとよいのでしょうか?今回は、気をつけることと、その理由について、お話します。
きこえ方は人それぞれ異なるので、一概にはいえませんが、物理的に『聞こえない』ことをイメージされると思います。
「きこえにくい」人は、
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という不自由さがあります。
そこで、「きこえにくい」人と接する皆さんに、次のことに気をつけて接してほしいと思います。
車のクラクションや放送に気づかないことがあります。事故や災害などの緊急放送に気づかなかったり、放送が聞こえづらかったりすることがあります。どちらも安全のため、知りたい情報の一つです。
音が鳴っていること、その意味を教えてください。また、放送の内容を伝えてください。
人によって高い音が聞こえづらいため、自分の補聴器や身についけている機器の「ピー」と鳴っている音が聞こえないことがあります。
本人が気づけるように教えてください。
補装具(人工内耳や補聴器)をつけているので、「聞こえているでしょう」と言われることがよくあります。しかし、教室での授業のように全体に向かって話しているときなど、誰に話しているか分からない状態だと、集中して聞いていないことがあります。「聴く」ことに集中できないと、話の内容をきちんと把握できないこともあります。
離れたところや後ろから声をかけられていても、気づかないこともあり、「無視した」と言われてしまうこともあります。
きこえにくい人は、話し手の方に顔を向けることで、『聴く』準備が整います。口の形や表情は、大切な情報源の一つです。ぜひ、顔を見せて話してください。
周りが騒がしかったり、初めて聞くことだったりするとうまく聴き取れず、理解できないことがあります。「こんな言葉だな、こんな話の内容だな」と推測しながら話を聴くことがあるため、すべて聞き取れていないことも多いのです。
また、人によっては高い音(カ行やサ行、ハ行の音など)が聞こえづらいため、「き」と「し」の聞きわけが難しいなど、聞き間違いやすい音があります。例えば、数字でも「1(イチ)」と「7(シチ)」を間違うと、伝わる意味が変わってしまいます。
空書(空に指で書く)や何かに文字を書いたり、指文字を使ったりして、正しい言葉を伝えてください。初めての言葉は文字で書いて伝えることで、正しく伝えることができます。
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まずは、この三つのことに気をつけて、接してみてください。
きこえにくい人も、周りの人も気持ちよく過ごすことができると思います。