離島を多く抱える長崎県では、一島一高校の「宇久・小値賀・奈留」の3地区において、教育条件の維持・向上と学校相互の活性化を図るため、平成13年度から「連携型中高一貫教育」を導入した。しかし、過疎化・少子化の進行は止まらず、各島内の学校では、規模の縮小・ 配置教員数の減少を余儀なくされ、教育水準の低下が懸念されるようになった。そこで、これらの教育活動上の制約を克服し、全ての児童・生徒の健全育成を実現するために、「小中高一貫教育」が導入されることとなった。この長崎県独自の教育システムは、平成20年度から本格実施となり、現在、各地区において、小学校・中学校・高等学校、さらには地域が一体となり、12年間の一貫継続した系統的な教育の在り方を探求している。
平成20年度から小中併設校となり、小中学校のグラウンドを挟んで小中学校と高校が隣接した。また、平成22年度末には、小中学校の新校舎が完成し、高校校舎との距離はさらに近くなった。小中校舎と高校校舎をつなぐ渡り廊下も設置され、施設面でも各校の連携・交流が、スムーズに行える環境が整っている。
児童生徒数が減少していく中、小中学校においては平成29年度から「しま留学制度」を、高校においては平成30年度から「離島留学制度」を取り入れ、島外からの児童生徒の受け入れを始めた。特に高校では、小中で培った英語力を生かし、さらに高めるため「E―アイランド・スクール」を特色の一つとして打ち出し、学校教育及び地域の活性化を目指している。
「歓迎遠足」「かるた・百人一首大会」「体育大会」の3つの行事は、小学校・中学校・高校が合同で行う。この3つを「三大行事」として、小中高が連携して取り組む。
免許外の授業担当を解消し、児童・生徒の基礎学力及び発展的学力を高めるために、教員が他校種の学校へ赴き、自らの専門性を生かした授業を行っている。「乗り入れ授業」は、特定の教員が一年間(また一定期間)を通して、在籍校以外の学校で授業を行うものである。