令和5年7月31日~8月4日の期間で島外歴史学巡検を行いました。東アジア歴史・中国語コース1年生と歴史学専攻2年生の4名で今年は九州にある近世城郭を巡り、各城では自治体の文化財の専門家から専門的でかつ、担当者ならではのマニアックな案内をして頂きました。初日は、唐津城→名護屋城の巡検を行いました。唐津城では他の城とは違う特異な石垣の構造、名護屋城では戦国のオールスターが集まる陣跡など様々な話が聞けました。秀吉の茶室跡も見ることが出来ました。猛暑の中でしたが、築城当時の様子を想像しながら興味深く見学できました。二日目は、島原城→原城→(フェリー)→熊本城のルートで巡りました。原城は島原天草の乱を想起させる当時の遺構を巡りました。土地の利を活かして最後まで抵抗を続けた様子が思い浮かべながら、本丸ではVRを使って当時の建物をCGで見たりしました。熊本城では天守閣はもちろんのこと、古城地区という、熊本城築城前の時代の石垣についても見ることが出来ましたほかの城郭と石垣や機構を比較しながら回ることができ、歴史の面白さを随所に感じられるとても充実した巡検になりました。三日目は、岡城を訪問しました。岡城では遺構や城の造りについて学ぶことが出来ました。阿蘇の土石流が作り出した地形と、築城技術が合わさった見事な城でした。まず竹田市歴史文化館で概要を学び、その高さと広さに圧倒されながら現地へ向かいました。実際に行くと、「難攻不落の城」と呼ばれるのも納得の城でした。四日目は中津城、小倉城を巡りました。中津城では、石垣を見たり、中津という地の利を活かした城郭の仕組みについて学びました。博物館の企画展では、黒田官兵衛がなぜこの地に城を築いたのか、当時の様子を思い浮かべながら見学しました。小倉城では、城の機構や成り立ち・仕組み、時代ごと土地ごとまた武将ごとの違いについて全てを網羅する内容で、今後の研究にも繋がり非常に有意義な時間でした。特に小倉城では、そこまで広大な土地ではない中でも、限られた土地や地形を活かした仕組みが多く見られ、それを肌で体感でき、ブラタモリに実際に出演しているような体験ができました。最終日には福岡城と鴻臚館を訪れました福岡城には黒田官兵衛の嫡男、黒田長政によって築城された城です。黒田が中津から福岡に移った後に築城されたものなので、中津城と比較して考えることができ、今回多くの近世城郭を回ったからこそ得られる学びがありました。隣にある大濠公園の地形の秘密や、福岡・博多全体を江戸時代の絵図で見ることで福岡城の堀の壮大さを感じることができました。普段は公開されていない多聞櫓・下之橋御門の内部まで見学させて頂きました。