令和6年4月15日(月)、令和6年の「サイバーセキュリティに関する総務大臣奨励賞」の受賞しました。
近年、サイバー空間と実空間の一体化により社会に豊かさがもたらされる一方で、悪意ある主体がサイバー空間を利用することによるリスクも増大しています。サイバーセキュリティの確保は、安心安全な国民生活や、社会経済活動の力強い発展の観点から、極めて重要な課題となっています。
この賞は、 総務省が、平成29年度より、サイバーセキュリティ対応の現場において優れた功績を挙げ、今後も更なる活躍が期待される個人又は団体(チーム)を募集し、その中から実績等を踏まえ、「サイバーセキュリティに関する総務大臣奨励賞」として表彰されているものです。
本校では、平成30年度から長崎県警察が取り組む「サイバーセキュリティボランティア事業」に参加し、本校生徒が地域の小・中学校の児童・生徒に対するセキュリティ講話を行うことで、地域におけるサイバーセキュリティ教育に貢献しており、活動の過程で、本校の生徒自身も講話に必要なセキュリティ知識を身につけられるようカリキュラムを設計し、セキュリティ知識の普及啓発と人材育成を両立させる先駆的取組として、サイバーセキュリティの向上に多大な貢献したとの評価を受けました。
【推薦理由】
長崎県立松浦高等学校では、商業科の生徒に対し、将来、情報通信技術の分野で社会貢献できる人材に成長できるよう教育を行いながら、地域貢献活動に積極的に取り組んでいる。
平成30年度から、長崎県警察では、スマートフォン等を使いはじめた小・中学生にインターネットの利用に関し、正しいマナーやモラルを身に付けさせ、インターネットを正しく利用することを目的とする「サイバーセキュリティボランティア事業」に取り組んでいる。この事業では松浦高校など県内の高校やその生徒をサイバーセキュリティボランティアに委嘱して、小・中学校の児童・生徒に対し身近でリアルなセキュリティ講話を行っている。
この事業では受講者に年齢が近い生徒が講師を務めるため、講師と児童・生徒との距離が縮まることでより教育効果が高まるほか、ボランティアとして委嘱を受けた高校生は県警察と協力関係にあるセキュリティ会社の専門家から情報リテラシーや情報モラルなど講演のために必要な知識を身に付けるための講習を受けた後、創意工夫を凝らして講演資料を作成する。
その後、松浦高校等の教員が、生徒が作成した講演資料の添削を行うほか、講演直前にはプレゼンテーションのリハーサル等の指導を行うため、これら活動を通じ、サイバーセキュリティ教育の質の向上とセキュリティ人材の育成の両立が図られている。
県警察では、この事業を開始するに当たり、松浦高校に協力を求めたところ、地域貢献活動に資するとの理由で全面的に協力を得て、以降、同校は商業科生徒への授業として本事業に取り組んでおり、講演を受講した小・中学生からは「大人から説明されるよりも年齢が近いお兄さん・お姉さんから説明された方が分かりやすかった。」との声があるほか、教職員から「高い教育効果が得られている。」との好評を得ています。
こうした松浦高校の取組は新聞・テレビ等で取り上げられただけでなく、県議会においても「先手を打った取組であり今後も推進してもらいたい。」と高評価を受けたことにより事業の認知度が上がり、事業を開始した平成30年度当初、松浦高校を含む4校で開始した事業への参加高校は徐々に増え、令和4年度は、離島を含む長崎県内11の高校・高等専門学校に広がっている。
また、県警察を通じて松浦高校の活動成果を全国に紹介したことにより、全国でも同様の活動が行われることとなり、サイバーセキュリティの普及に大きく貢献している。
【令和5年度活動実績】訪問校15校1,661人
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○中学校
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